ビジネス事例詳細


投稿日時:2019-09-02 23:59:26
成功事例

カテゴリー


業界共通 / トレンド / 技術 / AI

事例企業情報

業種


IT・通信・インターネット

企業名


スタンフォード大学

企業規模


不明

事例情報

背景


認知行動療法(CBT)は、医師やカウンセラーが患者の話を聞くことで、悩みの原因となっている問題点の把握や、悲観的な気持ちに陥るパターンの解明、心が軽くなるような思考のトレーニングをしていく。
薬を使う治療と比べると副作用が無いことが魅力だが、個別対応のカウンセリングを頻繁に行うことにには限界があり、費用も高いのが難点。

事例内容


スタンフォード大学の臨床心理学チームが開発した「Woebot」は、認知行動療法(CBT) のメソッドに基づいて開発された自動会話型のAIエージェント。
Facebookメッセンジャーやスマホアプリを通したコミュニケーションで、メンタルヘルスのサポートを行う。
具体的には、毎日または1日おきに「いま何をしているの?」「気分はどう?」「元気のレベルは?」などのメーセージを送信してくる。
それに対する返信内容、単語の使い方から、ストレスのレベルを判定して、精神的な疲労度が高い場合には、気分が和らげたり、気持ちがポジティブになるような会話を進めていく。
ボットが悩み事の解決策を提示するわけでないが、会話の中で前向きな思考へと導こうとする。

ボットは定期的な会話をする中で、ユーザーの気持ちが落ち込みやすい曜日や時間帯のパターンを把握して、不安な状態に陥る前に、ジョークに富んだメッセージを送ったり、気晴らしになるYouTube動画やゲームなどの紹介をして、うつ病を予防。
それでも、ユーザーのメンタルが危機的な状態になった時には、チャットに「SOS」と伝えることで、カウンセラー(人間)の助けを求められる機能も装備されている。

Woebotは、個人ユーザー向けには、2週間の無料トライアルで具体的な機能を試した後、月額39ドルで継続的に利用できる有料コースが設定されている。
主な利用者層は、メンタルに悩む大学生や大学院生の若者。
また、企業が従業員のメンタルヘルス対策として利用できる、法人契約コースも設けられている。

成果


2017年の発表では、同アプリを利用した18~28歳グループの中で、うつ病の改善効果がみられ、実験参加者の85%が、ほぼ毎日のペースでWoebotとの対話を続けている。

ちなみに、ユーザーはAIとの交流に慣れてくると、人間と同様の愛着を抱く傾向があるが、AIが仮想カウンセラーとしての人格を持ち始めることには一線を画して、このアプリには敢えて「Woebot」という機械的な名前が付けられている

情報区分


見聞情報

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